ビジネス文書検定について

ビジネス文書検定について

ビジネス文書検定はビジネスで使用する文書の作成に必要な知識や技能を評価する検定試験です。
情報伝達やコミュニケーションの要となる文書作成はビジネスに欠かせない要素の一つなので、積極的に取得したい資格の一つといえるでしょう。
かつて「ワープロ検定」という資格が統合されたものなので歴史的にも知名度があります。

ビジネスにおいて定型句を含めた書類の作成能力や技能を評価するための資格として誕生しました。
1987年に誕生した比較的新しい資格ですが文部科学省の後援もあって注目度は高まっています。
また、職種を問わない資格なので取得していれば重宝されることもあります。今は会社によっては奨励金がでる企業もあります。

適用する仕事

ビジネスマン、ビジネスウーマン

「ビジネス文書検定」を資格を持って適用する仕事はビジネス全般です。
ビジネスで取り扱う文書では報告書、案内書、礼状、契約書、案内状といったものなど多くの種類があり、電話や口頭で済ませることができそうな連絡も今では文書で伝えることが通例となっています。

めったに書かないので悩みに悩んで気が付いたら半日以上経っていたということもあるかもしれません。
まして文章というものは一度提出すると後々まで残りますので余計に気を遣います。

しかし、それらには一定の型や特有の言い回しの定型句があり、それを上手に扱うことは常識の範疇とされています。
ビジネスの場ではあまり使用しない漢字や独特の言い回しを文章に用いることもあります。
ビジネス文書検定ではそういったことを身に付けているがが問われます。

では、この資格を取得でどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

代表的なものとして、まずビジネス文書検定を勉強することによってどこでも通用する文書作成の基本と対応を身に着けることができ、社会人としての基礎を身に着けることができます。

また、上司宛に限らず、社外のクライアントに対して正式な文書を送る際にもビジネスシーンで常套的手段とされている定型句を知っている方が何かと評価を受けやすくなります。

それはビジネス文書検定資格を持っているということの方が、少なくともビジネス文書の書き方を正式に学んだ経験がある証拠になっているからです。
職場で学習した経験が生かされ、自分の部下のビジネス文書を添削や訂正できれば自信が持てるはずです。

そして、就活生は資格取得がアピールできます。
しかし、3級ではあまり効力は見込めないので資格の取得によって評価を受けたいならば、2級以上を取得していることが理想ですがまだマイナーな資格ではあります。

おおよその年収とキャリアパス

この資格は独立開業という類の資格ではありませんので、この資格での独立というのは現実的ではありません。
ですが、ビジネスマンはビジネス文書の作成が必須です。
年収は多種多様ですがビジネス文書の専門家の平均年収は330万前後となってます。

また、メリットとしては、今は会社でパソコンで文書を作るのがほとんどですが、文書を書く技能を持っていれば作成に自信が持てます。
どんな仕事についても役に立ち、取得しても使わないということはありません。

ビジネスする人々

認可団体

ビジネス文書検定は実務技能検定協会による主催で行われています。
これ以外にも様々な検定試験を実施しています。
ビジネス実務全般への学習意欲を喚起させること、職業人の技能向上に寄与することを目的としている団体です。

受験条件

年齢や学歴など、受験者に対しての条件はなくどなたでも受験できます。

合格率

1級 35%前後 、2級 63%前後 、3級 87%前後

2、3級については簡単な選択問題のみの筆記試験です。
社会人経験の全くない学生でも合格可能で、特に3級はほぼ毎年合格率が85%を超えています。
アルバイトやインターンでメールを作成した経験があれば試験勉強しなくても合格できるレベルで、文書作成の知識と技能の基本が身について上司などの指示を把握しながら文書作成ができるレベルが求められています。

2級で求められているレベルは文章の知識と技能の全般が理解できていて、単独で文書作成ができる能力です。
公式の問題集を1~2か月繰り返し問いてれば合格できるレベルでしょう。

1級だけは難度が高く、文書作成技能と知識が求められています。
実際にビジネス文書を書き上げるという問題も出題されており、学生よりは社会人がメインの受験者として想定された試験といえます。

一年当たりの試験実施回数

年2回です。
6月と11月、または7月と12月上旬

受験会場は札幌、仙台、成田,東京、横浜、上越、松本、金沢、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、高松、福岡、熊本、那覇の17か所になります。

試験科目

課題に取り組む女性

どのような資格試験にもそのためのの傾向や対策があり、その出題傾向を把握しておくことが重要です。
ビジネス文書検定試験を受けるにあたって、どのような基本を確認しておけば良いのでしょうか。

各級共通の出題領域として

  • 表記技能 正しい用字や用語が使える。ビジネス文書の文書などについて知っている。
  • 表現技能 正確でわかりやすい文章や礼儀正しい文章が書ける。
  • 実技技能 社内文書や社外文書が書ける。文書の取扱い等についての知識がある。
3級 実務に役立つ文書作成技能について知識と技能とを身に付けていることにより上司の指示に従って普通の文書を正しく理解し、作成することができるレベル
2級 実務について役立つ文書技能について知識と技能との全般を身に付けることにより単独で普通の文書を正しく理解し作成することができるレベル
1級 実務に役立つ文書作成技能について知識と技能とを十分に身に付けているとともに必要に応じてこれらを適切に指導できるレベル

試験時間 3級 120分 、2級 130分 、1級 140分

採点方式と合格基準

表記技能、表現技能、実技技能の各領域に関してそれぞれの得点が全て60%以上で合格となります。
2、3級については簡単な選択問題のみの筆記試験ですが、1級には実際にビジネス文書を書きあげる試験もあり難しくなります。

基準のイメージ図

取得に必要な勉強などの費用

特別な費用は掛かりませんが、認可団体である実務技能検定協会が出版しているテキストと問題集で刷り込み学習することが主な勉強方法です。
特に2、3級については出題内容も難しくないので、ケアレスミスがないように気を付ければほとんど暗記問題です。

主なテキスト、問題集
  • ビジネス文書検定ガイド3級(税込み1,100円)
  • ビジネス文書検定3級実問題集(税込み1,320円)
  • ビジネス文書検定ガイド1・2級(税込み1,320円)
  • ビジネス文書検定1・2級実問題集(税込み1,650円)

各種 表記技能 表現技能 実務技能についての基本が書かれビジネス的文章の文書用語、様式、関連知識、書写の知識技能の習得を目指している内容です。
筆記試験の内容はほぼ国語で習うような時候の挨拶や季語、文書の種類等の暗記物がほとんどですが量的にはそこまで難しくありません。

受験料

各級の受験料は3級2,800円、2級4,100円、1級5,800円となります。
また併願受験も受け付けており、2・3級で6,900円、1・2級で9,900円となります。

受験料

受験申込方法

クレジットカード決済、又はコンビニエンスストア決済の2つの申し込み方法があります。

まとめ

ビジネス文書検定は美しい文字を書いて履歴書などの公文書での正しい言葉遣いができるようになりたい人、特に就職活動中の学生やビジネス文書の書き方について研修などで教える立場の方たちに役立つ資格です。

ビジネス文書に「自信がない」「自分の知識を再確認したい」という理由で自己啓発のために受けてみたいという方にも、役立つ資格かもしれません。

 

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