冬になると、スキーを楽しみにしておられる方もいらっしゃると思います。
初心者の方は、誰かに教えてもらいながら楽しみ、上達したいことと思いますよね。
ベテランの方は、スキーを教えることを仕事にして、自分も好きなことを教えながら収入にしたいと考えておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
スキーからスノーボードへ人気が移っていた時期もありましたが、最近ではスキーの人気が再び戻っていて、スノーボードからスキーに乗り換える人が多く居るそうです。
資格としての、「スキー指導員」について取り上げてみました。
Contents
適用する仕事
スキースクールでスキーの指導を行う仕事が適用するでしょう。
主にスキー場に勤務します。
冬季限定の仕事になりますので、基本的に他に仕事を持つ必要があります。
また、スキー場での仕事になるので、近くに住居か宿が必要になります。
全日本スキー連盟公認のスキースクールで指導するには、公認スキー指導員資格または準指導員資格が必要です。
仕事はスキーのインストラクターになるので、生徒を満足させなくてはいけません。
上手く滑れない生徒に丁寧に教えるには、自分が上手く滑れなかった時のことを思い出すのが良いと思います。
おおよその年収とキャリアパス
時期が限られるので、専業として生計を立てるのは難しいと思います。
冬だけの、限定的なお仕事としては次のようになります。
給与はスキー場によって様々です。
週末だけの勤務をされている方もいます。
日給制か時給制かによっても違います。
市街地から近いスキー場では応募者もたくさんいますので、時給制、つまり実際にレッスンした時間だけ給与が支払われるところが多いです。
時給は900円から2000円くらいです。
資格と経験で結構差がつきます。
多くのスクールは、午前に2時間、午後に2時間くらいです。
認可団体
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公益財団法人 日本体育協会(現・日本スポーツ協会)」と「SAJ(公益財団法人全日本スキー連盟)」です。
つまり、これら団体からの公認スポーツ指導者制度による認定指導者にあたるわけです。
「公益財団法人 日本体育協会」はオリンピック大会参加を契機に明治44年(1911年)7月に大日本体育協会として創立されました。
一方、「公益財団法人全日本スキー連盟」は大正14年2月に創設されました。
受験条件
指導員と準指導員があります。
公認スキー準指導員
- 受検年度のSAJの会員であり、かつ4月1日時点で18歳以上である者
- スキーバッジテスト1級(プライズテストを含む)を前年度までに取得している者
- 加盟団体が主催する下記の養成講習を準指導員検定会までに修了し、養成講習修了報告書によって証明された者
基礎理論12時間、指導実習12時間(有効期間は各2か年、ただし救急法実技は受講年度のみ)
実技実習22時間(有効期間は受講年度のみ)
公認スキー指導員
- 受検する年度の4月1日で現在21歳以上の者
- スキー準指導者の資格を有して、合格年度を含めないで2年以上を経過している者(ただし資格停止者は除く)
- 加盟団体が主催するスキー指導者養成講習カリキュラムを検定回までに修了して、養成講習カリキュラム修了報告書によって証明された者。
ただし修了した養成講習の有効期間は3ヵ年とする。
そして、これらの条件以外に特別推薦による受検も設けています。
それは全日本選手権(全日本スキー技術選手権大会・マスターズ・ジュニアを除く)・国際スキー連盟(FIS)公認大会・国体等の競技会において3回以上入賞した者やオリンピック出場者であるなら、加盟団体長の推薦により特別推薦書をSAJに提出して教育本部理事会の承認を得ると、当該年度の指導員検定会の受検の手続きを行えば受検ができます。
合格率
こちらは準指導員の合格率のように詳しい記載ができませんが、6割程度といわれています。
1年当たりの試験実施回数
年1回あります。
理論が1日、実技が2日間です。
公認スキー指導員検定の試験回数は年に1回です。
準指導員検定も、都道府県連ごとに年に1回行われます。
試験科目
理論と実技それぞれ設けられています。
- スキーの特性に応じた基礎理論
- その他、スキー指導に必要な事項
〇基礎課程
- ブルークボーゲン
- 基礎パラレルターン(大回り・小回り)
- 横滑りの展開
〇実践課程
- シュテムターン
- パラレルターン(大回り・小回り)
- 総合滑降
採点方法と合格基準
理論は200点満点で、120点以上をもって合格です。
- 実技種目は、3名の検定員の評価の平均値を取得ポイントとします。小数点第1位を四捨五入されます。
- 実技種目は、80ポイントを基準として、基礎課程4種目中3種目が80ポイント以上、実践課程4種目中3種目が80ポイント以上とし、合計640ポイント以上取得で合格となります。
養成講習は、実施団体が発行する養成講習修了報告書を確認します。
総合判定は実技と理論の合格をもって、合格です。
取得に必要な勉強などの費用
理論は参考書の代金が必要です。
本の代金は2000円前後を見た方がいいでしょう。
実技は練習をした方がいいでしょうが、必要な練習量は人それぞれです。
練習にかかる費用には、次のようなものがあります。
- 交通費
- スキーやウェアのレンタル費用
- リフト券
- 宿泊費
- 食費
交通費
交通費ですが、これはどこにお住まいでどこに行くかによって変わってきます。
例として都心にお住まいの方が新潟県にある石打・丸山スキー場に行く場合は、次のようになります。
- 自家用車で移動:8,500円
- バスで移動:8,900円
- レンタカーで移動:12,000円
- 新幹線で移動:13,500円
レンタル費用
- ウェア 3,000円~4,000円が相場
- スキー板 4,000円~4,500円が相場
一方、購入費用相場ですが
- ボード・スキー板やブーツなどは合計で3~4万円から。セット販売もアリ
- ウェアは約1万円~
- ゴーグル・グローブ・帽子は合計で約6,000円から
リフト券
スキー場によっても変わってきますが、4,000円から5,000円くらいのところが多いです。
これは当然、練習した回数の分かかります。
宿泊費
これも場所によってホテルの相場は変わりますが、安いところで「朝夕2食」のみのプランで10,000円を少し超えるくらいになります。
受験料
- 指導員 20,000円
- 準指導員 20,000円
(宿泊代などは含みません)
検定を受験する前に、各都道府県連が実施するいくつかの講習会を受講する必要があります。
これは受検料とは別で、養成講習料は指導員・準指導員それぞれ、各31,000円です。
こちらの情報は山梨県の「ふじてんスノーリゾ-トスキー場」で行われた講習会を参考に記載しました。
受験申込方法
受験申込や問い合わせは「公益財団法人 全日本スキー連盟」、または各都道府県のスキー連盟へ連絡してください。
まとめ
資格である「スキー指導員」についてでした。
専業としては難しいかもしれませんが、冬の間だけの仕事としてできるものです。
また、この資格は一度合格すれば終わりではなく、資格を維持するためには年会費や講習会の受講が必要で、継続して一定の費用がかかります。
そうなるとコストが掛かってしまう資格かもしれません。
ですが、低迷していたスキーの人気が再び上昇してきていますから、趣味の延長から発展して収入にしたい方にはオススメの資格です。
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