IT関連の資格は色々ありますよね。
どれを取得すればどのように仕事に生かせるのか、いまいちわかりにくいと思われます。
そこで今回はデータベーススペシャリスト試験について、触れていきたいと思います。
Contents
適用する仕事
データベーススペシャリストの仕事は、データ資料・データベースを企画、要件定義、開発、運用、保守などの業務に従事します。
- データ管理者として情報システムの全体の資源であるデータを管理します。
- データベースのシステムに対しての要求を分析して、効率性や信頼性、安全性を考えた企画、開発、要件定義、運用、保守を行います。
- 個別のシステム開発の企画、開発、要件定義、運用、保守について、データベース関連の技術の支援を行います。
また、ビッグデータを効果的に情報管理するという側面もあります。
企業が保持する膨大な量のデータを管理して、効率的なデータベースシスム構築を行うのが仕事となります。
顧客の管理やマーケティングでビッグデータが重要になっており、高度な情報化社会では業務の効率化や業績向上のために欠かせない役割となっています。
データをよりよく活用できるシステムを構築するにはデータベースの設計が特に重要です。
データ整理を行い有益な情報をピックアップするように、データベーススペシャリストは高度な専門性、技術が求められます。
これらがどのような場面で活かされるかというと、例えば経営戦略・マーケティングです。
データベースの設計や開発、管理や運営を行います。
企業に適したデータベースを検討する、データの順番や整理方法を判断したり、データを有効活用する点で非常に大事な役割を果たします。
膨大な量のデータをしっかりと整理する点から、図書館の司書として例える場合もあります。
ビッグデータを整理したら経営戦略・マーケティングでのユーザーの分析などの企業の戦略に関することに使用されます。
データを利用する方の業務の効率改善に貢献でき、売り上げの向上など経営への貢献もあるのでとてもやりがいがあります。
この分野のプロは数が少ないだけでなく、現代はビッグデータやデータベースの重要性が認識されるようになってきたので、需要も増えてきています。
結果的に、データベーススペシャリストは、開発に関する計画の中でも替えの無い存在として扱われる場合も多いです。
おおよその年収とキャリアパス
データベーススペシャリストのおおよその年収は330万円から750万円です。
基本的な会社員の平均年収がだいたい450万前後なので、とても高いという感覚はありません。
ただし、資格を持っていると年収が高くなる場合があります。
データベーススペシャリストは専門知識を活用してフリーで働く方もいますが、フリーの場合の平均年収は800万円前後と割と高めになっています。
同じエンジニアやフリーランスでも、他のエンジニアと比較するとデータベーススペシャリストは年収が少し高いです。
理由は専門性が高い点です。
データベースは普段は目にするものではないです。
しかし、データベースがないと膨大な量のデータを保管していてもそれを活用することが困難で、データベースにより作業の効率も変わります。
そこで、データベースに関する専門性を持つデータベーススペシャリストが重要視されます。
認可団体
認可団体は情報処理推進機構(IPA)です。
こちらは日本のITの国家戦略を技術面や人材面で支えるのに設立された独立行政法人です。
IPAは昔からコンピューターウィルス・セキュリティなどに対する調査や情報提供を行っていました。
中小のコンピューターソフトベンダーの債務保証事業等のソフトウェア開発補助事業も行なっています。
有能なプログラマーを発掘するためのソフトウェア創造事業、若い世代の開発者を対象に人材育成事業も行なっています。
受験条件
受験条件はありませんが、受験する際に期待される技術水準があります。
- データベース技術動向を広範囲に見て目的に応じた適用が可能な技術を選択できること。
- データ資源管理の目的・技術を理解して、データ部品標準化、リポジトリシステムの企画や要件定義、開発、運営、保守ができること。
- データのモデリング技術を活かして利用者の要求に基づいてデータの分析を行って正しい概念データモデルを作成すること。
- データベースの管理システムの特性を理解して情報のセキュリティも考えて、高品質なデータベースの企画、要件定義、開発、運用、保守ができること。
などが挙げられます。
合格率
IPAの公式から公表されている合格率は10%台後半ですが、こちらは受験者の数に対する合格した者の比率です。
実際の応募数に対する受験者比率は6割程度ですので、応募者数に対する合格者の数から合格率を割り出すと10%ほどとなっています。
これは、合格率が一桁ばかりであるほかの高度区分試験と比較すると少々高めではありますが、一般的な資格試験と比べてみると、とても低い値となります。
一年当たりの試験実施回数
1年あたりに、試験は1回行われています。(2022年4月現在)
試験科目
データベーススペシャリスト試験はデータベースシステムの全般的な知識が試されて、出題される範囲は広いです。
データの資源管理に対する目的を理解してリポジトリシステムの企画や要件、定義や開発、保守などのデータ運用の知識が問われます。
この試験は午前の第1次試験と第2次試験、午後の第1次試験と第2次試験に分かれています。
出題される形式は、午前第1次試験と午前第2次試験が選択式になっている試験で、午後の第1次試験と第2次試験が記述式になっています。
午前の第1次試験
午前の第1次試験はテクノロジー系・マネジメント系・ストラテジー系に分かれており、基礎の理論からコンピュータシステム・開発技術・技術要素などの問題が範囲となります。
午前の第2次試験
午前の第2次試験ではコンピュータシステムに関するコンピュータ構成要素とシステム構成要素から出題されています。
データベース類は、方式・データベース設計法・セキュリティ対策法・データ操作とトランザクション処理、開発技術類はシステム開発技術・ソフトウェア開発管理技術に関する問題が出題されます。
午後の第1次試験
午後の第1次試験は、内容はデータベースの設計・運用設計・セキュリティシステムの応用と理解・テーブルの設計・SQL・データベースアクセスの同意実行制御の設計が出題されます。
午後はすべて記述式になるので、文章力を鍛えて理論をしっかりと明示して読み手に考えを伝えられるかの学習も必須となります。
午後の第2次試験
午後の第2次試験は、データベースの物理設計・データ移行概念データモデリング・テーブル構造設計・概念データモデリングと移行計画となります。
記述式の試験の場合、考えている以上に解答時間が長くなることもあるので、独学の場合には試験の時と同じように時間を測って、実際の試験と同じように勉強すると良いです。
採点方式と合格基準
午前の第1次試験と第2次試験は選択式の問題になっています。
合格基準はすべての試験で100点満点のうち60点以上を取ることです。
取得に必要な勉強などの費用
過去問で勉強するのが効果的です。
書店で購入するのも良し、公式サイトで過去問をダウンロードするのも良いです。
情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2022年版
出版社名:翔泳社
商品名:情報処理教科書 データベーススペシャリスト 2022年版
価格:¥3,168(税込)
学習方法とテクニックが100ページにもわたって詳しく解説されていて、午後Ⅰ(記述式)と午後Ⅱ(事例解析)の解答の書き方が分かるように作られています。
過去19年分の問題を提供しています。
データベーススペシャリスト試験 午前厳選問題集
出版社名:東京電機大学出版局
商品名:データベーススペシャリスト試験 午前厳選問題集
価格:¥3,740(税込)
こちらはデータベーススペシャリスト試験の午前試験をクリアするためのサポートとなる問題集です。
過去に出題された問題の中から厳選して収録されています。
チェックボックスを利用し、「よく出る問題」「苦手問題」を把握するようにしましょう。
受験料
受験料は7,500円です。
振込手数料・郵送費は各自負担となっています。
領収書は受験票に同封しています。
受験申込方法
決められた申込期間のうちにIPA情報処理推進機構のホームページからインターネット経由で申し込みが可能です。
一応郵送で願書を送ることもできますが、インターネットでの申請が一般的です。
願書はIPAの本部・各支部・全国の書店などに置いてあります。
受験票は試験の月の初旬に発送されるので、申し込んだにもかかわらずなかなか来ないと焦る心配はありません。
まとめ
データベーススペシャリストの試験は、難易度が高い分価値の高い資格となっています。
IT関連で働いていて、キャリアアップをしたいのならとても良い資格なので是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
関連する記事はこちら
ネットワークスペシャリスト試験について