糸魚川ジオパーク検定は糸魚川ユネスコ世界ジオパークに関する民間資格、いわゆるご当地検定の一つです。
糸魚川の地形や文化、歴史などについてより多くの人たちにたくさんのことを知ってほしい、そんな思いから誕生しました。
この検定は初級、上級、達人級の3種類があります。
糸魚川と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。
まず思い浮かぶのはヒスイかと思います。
糸魚川市はヒスイの産地として知られています。また、景勝地親不知子不知県立自然公園も有名ですね。
さらに糸魚川ー静岡断層帯という言葉もよく耳にします。
糸魚川ジオパークは新潟県糸魚川市にあり、2009(平成21)年に日本で初めて世界ジオパークに認定(2018年にユネスコ世界ジオパークとして再認定)されたジオパークです。
ジオとは「地球や大地」を、パークは「公園」を意味するので、「地球と大地の自然公園」といったニュアンスでしょうか。
パーク内部にある地質の保護や自然環境の保全をしつつ、多くの人にこの地を訪れてもらうことで、持続可能な発展と観光業を中心とした地域振興を目指しています。
また、近年よく耳にするSDG’sにも積極的に取り組んでいます。
このジオパークには24のジオサイトがあり、それぞれのサイトで先ほど触れたヒスイや親不知子不知県立自然公園をはじめとした糸魚川市の自然や文化、歴史などが学べます。
Contents
適用する仕事
ご当地検定ということで、旅行・観光業が関連します。
取得が必須かどうか定かではありませんが、この検定を持っているとジオパーク認定ガイドという観光ガイドになるのに大きなメリットがあると言えるでしょう。
また、市内にあるフォッサマグナミュージアムの職員も、この資格を所持している可能性は高そうです。
おおよその年収とキャリアパス
資格を保持した上での年収は判明していませんが、地元の旅行・観光業者はこの資格を所持していると給料が上乗せされる可能性がありそうですね。
認可団体
この試験は糸魚川ジオパーク検定事務局(糸魚川商工会議所内)によって、主催されています。
受験条件
受験可能な条件は以下の通りです。
初級:糸魚川市在住者
上級:糸魚川市在住かつ、ジオパーク検定初級合格者
達人級:糸魚川市在住かつ、ジオパーク検定上級合格者
近年は新型コロナウィルスの影響で、糸魚川市在住の方のみ受験可能、会場も市内のみとなっているそうです。
状況が変わり次第、また市内在住の方以外の方も受験できるようになるかもしれませんね。
いつか全国から応募できることを期待しましょう。
合格率
級によって大きく異なります。
初級
第8回(2016年)76.4%
第9回(2017年)85.1%
第10回(2018年)75.9%
第11回(2019年)73.7%
第12回の合格率は判明していません。
過去4回の平均合格率は約78%です。
第9回は合格率が高く、その他の回も比較的高いと言えます。
上級
第8回(2016年)46.1%
第9回(2017年)65.2%
第10回(2018年)4.1%
第11回(2019年)11.7%
第12回の合格率は判明していません。
第9回までは上級にしては合格率が高かったのに対し、第10回から急激に下がり、難易度は急激に高まったようです。
達人級
第8回(2016年)0%
第9回(2017年)36.4%
第10回(2018年)0%
第11回(2019年)18.1%
第12回の合格率は判明していません。
第9回は30%を超えているものの、判明している4回のうち2回が0%であることから難易度は非常に高いと言えます。
1年あたりの試験実施回数
各級とも年に一回、毎年11月に開催されます。試験時間は13:30~15:15(第13回時点)です。
試験科目
YouTubeの初級対応オンラインセミナーによると、
初級の問題構成は
- 「ジオパーク」に関する問題が10%
- 「24か所あるジオサイト」についてが70%
- 「基礎知識」についてが20%
- 「取り組み」についてが10%
となっています。
採点方法と合格基準
級により異なります。
初級
初級:三者択一方式で100問出題。
100点満点中70点以上で合格です。
上級
上級:三者択一方式および、穴埋め方式で80問出題。
100点満点中70点以上で合格です。
達人級
達人級:穴埋め式および、記述式40問のほか、400文字程度の小論文2問を出題。
100点満点中80点以上で合格です。
取得に必要な勉強などの費用
総体的に見て、試験勉強に必要な費用はそれほどかからないようです。
公式テキストブック「糸魚川ユネスコ世界ジオパークのことがわかる本 第5版」が1冊税込600円で販売されているので、まずはこの本で勉強しましょう。
初級は約70%が、上級は約50%がこちらのテキストブックの中から出題されています。
また、初級用にYouTubeで「糸魚川ジオパーク検定 初級対応オンラインセミナー」もあります。
オンラインセミナーは公式ガイドブックを見ながら問題を解いていくようです。
このガイドブックがいかに重要かがわかりますね。
さらにクイズサイトもありますので、こちらも活用すると良いでしょう。
受験料
級と年齢により異なります。
初級:大人(高校生以上)1,100円、中学生以下550円
上級:大人(高校生以上)2,200円、中学生以下1,100円
達人級:3,300円
受験申込方法
所定の申込書に必要事項を記入し、申込受付所へ提出します。
代金の支払いは申し込み時に行ってください。
申込み用紙は受付でももらえますが、「糸魚川ジオパーク検定」の公式サイトの実施要項兼申込書(PDF)からダウンロードできます。
申込受付は糸魚川商工会議所、糸魚川市ジオパーク推進室(市役所3階)、糸魚川市能生事務所、糸魚川市青海事務所、糸魚川市観光協会観光案内所、フォッサマグナミュージアムでできます。
この内、糸魚川市観光協会観光案内所、フォッサマグナミュージアムは土日も受け付けています。
まとめ
ご当地検定に合格したからといっても、基本的に旅行・観光業以外では就職に結びつくことは少なく、その上多くの検定で受験者数が減少しているのは事実です。
ですが、この検定は他のご当地検定とは少し意味合いが異なると思われます。
理由は2点あります。
まず1点目は、この検定は糸魚川ジオパークについてだけでなく、環境保護についても多少の知識が必要だということです。
というのも、初級の試験問題にはジオパークに関するものや取り組みに関するものも含まれています。
こうした問題から知識を得ることで、今度は環境に関する検定を取得してみようと発展する可能性もあります。
もう1点は「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されているという点です。
ユネスコ世界ジオパークは2015年にユネスコ総会においてユネスコの正式プログラムになりました。
2004(平成16)年から2015(平成27)年までに世界ジオパークネットワークによって、「世界ジオパーク」に認定されていた地域が、あらためて認定されています。
2022年5月の時点で、日本国内にジオパークは46か所ありますが、その内ユネスコ世界ジオパークは9か所しかありません。
しかも、2009(平成21)年に国内で初めて世界ジオパークに認定されたのは北海道の洞爺湖有珠山、長崎県の島原半島、それに糸魚川の3地点だけです。これはとても貴重なことです。
尚、合格者には各級で特典があります。
- 初級合格者:「ジオパーク検定合格者特典カード」を提示することで、協賛企業や店舗による割引特典があります。
- 上級合格者:協賛企業や店舗による割引特典に加え、高校生以上の合格者に「フォッサマグナミュージアムの年間入館券」進呈されます。年間入館券は1年間有効です。
- 達人級合格者:「合格証盾」進呈、「フォッサマグナミュージアムの年間入館券」進呈されますが、こちらは年間入館券は10年間有効となっています。
賞状や認定バッジは割とよく聞きますが、盾がもらえるとはとても珍しいですね。
持っていると大いに自慢できることでしょう。
様々なメリットのあるこの検定、糸魚川市在住の方はぜひチャレンジしてみてはいかかでしょうか。
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