皆さん「あわ検定」という検定をご存知でしょうか。
あわはひらがなです。
石鹸の泡のこと?それとも稗(ひえ)・粟のあわ?いいえ、あわというのは徳島県のことなのです。
つまり「あわ検定」というのは徳島県の「ご当地検定」のことなんです。
どういった検定なのか詳しく見ていきましょう。
Contents
適用する仕事
まずあわというのはひらがな表記になっていますが、阿波という地名のことなのです。
これは現在の徳島県の北の地域が粟の生産地だったために、粟国と呼ばれていたそうです。
古代は粟国と呼ばれていたものの、713年(和銅6年)に元明天皇という方による好字令(良い意味で名付けること)で、地名を2字で表記するために粟から阿波になったそうです。
そうした徳島の歴史から文化・自然・産業などの魅力を勉強する検定となっているこのあわ検定は徳島県に住んでいる方はもちろん、それ以外の地域に住んでいる方も楽しく学べる検定です。
特に徳島県で観光業やサービス業などに従事する方にとっては、仕事をしていくうえで大変役立つ検定だと思われます。
徳島県の役所の職員やタクシー運転手・ドライバー、旅館で働く方、さらにもっと広範囲のサービス業の方にも役立つ検定でしょう。
もしかして、全く縁もゆかりもなかった徳島県だったのが、このあわ検定を受けたことにより徳島で働くようになったというパターンもあり得ますね。
おおよその年収とキャリアパス
上記に挙げた職業のおおよその年収とキャリアパスを見ていきます。
あらかじめ申しておきますが、あわ検定はご当地検定のうちの1つなのでそれに合格したからといって収入が劇的にアップするということはあまり無いと思いますから、そこは留意しておいてください。
徳島県の観光課職員
担当部署まで記載する必要があるのかといぶかるかもしれませんが、地方自治体の職員でご当地検定が最も役立つところといったら観光課が代表的かと思われます。
もちろん徳島県庁だけでなく、たくさんの市町村がありますからそちらでも観光関連の部署はあるかと思われます。
徳島県職員(一般行政職、平均年齢44.3歳)の平均給与(平成31年4月時点)は42万9,714円でした。
つまり、年収で表すと単純計算で515万円となります。
徳島県職員というのは、公務員です。
大学卒業の場合「大卒程度」の公務員試験を受けて合格すれば公務員になれます。
地方公務員試験上級(1類)や市役所試験などを受験します。
高卒程度の公務員試験が受験可能なところもあります。
しかし、年齢制限を設けているところがありますので、よく注意してください。
観光ドライバー
観光バスやタクシーのドライバーの方の年収ですね。
就職先にもよりますから一概に断定はできませんが、平均でいうと400万円前後であると予想されます。
なかには500万円以上の高収入を得ているドライバーさんもいます。
タクシードライバーでは、300万~400万円が平均的な年収です。
キャリアパスですが、これも就職先によります。
一例を挙げますと、新人で会社に入ってコツコツ続けていくと、まずドライバーの教育や労務管理を中心に行なっていく「班長」という地位になります。
そして、その次の役職は課長という責任者、そして所長、社長となります。
そうした管理職へのステップアップは期待できます。
旅館関係
旅館の中にはさまざまな方が働いていますね。
仲居と呼ばれる接客係、フロントと呼ばれる予約係、それに清掃担当や調理担当の方もいます。
それらの方たちの年収を総合的に見ると、2018年時点の統計で男性323万4千円、女性224万2千円でした。
これは全体の一般労働者の賃金からしても低いです。
(全体:男性337万6千円、女性247万5千円)
ちなみに職種別の給与はこのような差があります。
職種 | 平均月給 |
仲居(客室) | 18万~20万円程度 |
フロント | 20万~25万円程度 |
調理 | 18万~20万円程度 |
キャリアパスですが、多くの仲間と働くのですからそれを束ねる方がいます。
コツコツ働いていくと、例えばそうした下位のスタッフを束ねるリーダー格のような地位に就くことができます。
そして、やがてはスタッフ全体を指揮するマネージャー職に昇格できます。(旅館によりますが)
こうしたキャリアアップを経て、その旅館を良くしていきます。
認可団体
「あわ検定」を主催している団体は
四国大学SUDAchi推進室 「あわ検定」実行委員会というところです。
四国大学は徳島県徳島市に本部を置く私立の大学です。
徳島県の地域課題である少子・高齢化に伴う地域経済の減速を食い止めるために、地域を志向した教育を実施するとともに、地元の自治体や企業、住民とも連携し、地域貢献型人材の育成と地域の活性化のために発足しました。
新「あわ学」(地元学)構築と「あわ検定」を実施することで、新たな地域の魅力発見と県内外への情報発信を行います。
〒771-1192 徳島市応神町古川字戎子野123-1
TEL:088-665-9953
FAX:088-665-9982
E-mai:sudachisuishin@shikoku-u.ac.jp
受験条件
受験制限はありませんので、どなたでも受験することができます。
ただし、定員は先着500名です。
合格率
不明
1年当たりの試験実施回数
年1回、2月に行われる模様です。
試験科目
徳島県の歴史、文化、産業、くらしなどに関する知識ついて出題されます。
ちなみに2021年2月の「第4回検定」では徳島の食と郷土料理に関する問題を数問出題しました。
採点方式と合格基準
50問中約6割以上正解すれば、合格となります。
取得に必要な勉強などの費用
あわ検定には公式のテキストは存在しません。
しかし、勉強するに至って以下の書籍を参考書としています。なお、参考書以外の内容も出題されることがあります。
参考資料1
出版社名:新人物往来社
商品名:徳島県謎解き散歩
価格:¥880(税込)
阿波踊りや鳴門の渦潮、アカウミガメ、蜂須賀家、藍染めや吉野川、和三盆糖までといった伝統文化を誇る徳島県を紹介しています。宗教や県民性にもアプローチしています。
参考資料2
出版社名:徳島経済研究所
商品名:徳島が好きになる本 文化と経済でみる徳島
価格:不明(ダウンロードあり)
徳島をあらゆるジャンルから特色を紹介し、見直している資料です。
中高生や大学生にも読んでもらえるように、歴史も振り返りながら徳島の全体像を素早く把握できるように作られています。
※「あわ検定」の公式サイトにダウンロードできるようになっています。
参考資料3
出版:徳島県教育委員会
商品名:あわ文化テキストブック
価格:不明(ダウンロードあり)
徳島の歴史や伝統、文化について理解を深めることを土台に、異なる歴史や文化を持つ国や民族に対しても敬意を払い、平和な社会を目指せる努力を積めるように徳島の魅力をふんだんに盛り込んでいます。
参考資料4
出版社名:昭和堂
商品名:大学的徳島ガイド―こだわりの歩き方
価格:¥2,530(税込)
「新あわ学」の特徴である、歴史と現代の両方を見つめて徳島を紹介しています。
阿波踊りや四国遍路、吉野川をはじめとする豊かな自然、徳島ラーメンや阿波三盆糖などの食分野といった盛りだくさんの内容です。
徳島で街歩きをする際、楽しさを実感できるガイドブックとなっています。
受験料
無料
受験申込方法
申し込みの際は四国大学のホームページに申込フォームがあります。
もしくは、あわ検定の公式サイトの受験詳細のページにQRコードが掲載されていますので、そちらを読み取ってアクセスしてください。
まとめ
あわ検定は徳島県のご当地検定です。
徳島県民の方には郷土のことをより理解でき、それ以外の方には徳島県という地域をよりよく分かっていただくための検定になります。
受験料が無料というのには驚きました。
ご当地検定は単純に収入につながるかといえばそういう物ではなく、検定に向けて勉強するにあたって、教養が身に付いたり、一般よりも詳しい知識を得るわけですから会話のネタになったりするでしょう。
もし身近に徳島出身の方がいたら、喜ばれると思います。
徳島の文化を勉強してみませんか。
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NAGANO検定について
地方公務員は代表的なキャリアパスとして、自治体の中で昇進していくことが挙げられます。
主査→室長→課長→部長→参事官と位が上がり、昇格していきます。
昇進する際、試験を課すこともあります。
女性の場合は結婚や出産などがありますから、男性並みの昇進にはいかないものの子供がいても長く働けるのが強みの職種です。
また、女性でも管理職クラスを目指すことができます。