国家資格である電気通信主任技術者についてまとめさせていただきました。
電気通信主任技術者の試験には、伝送交換主任技術者試験と線路主任技術者試験があります。
Contents
適用する仕事
電気通信主任技術者の仕事は、通信事業者の設備の工事であったり、故障が起きないようにメンテナンスをしたりすることです。
光回線やモバイル回線は通信事業者から提供されるものですが、回線の工事やメンテナンスは通信事業者からの依頼があった電気通信主任技術者の監督で行います。
おおよその年収とキャリアパス
年収はおおよそ、259~463万円です。年収の平均値は361万円です。
電気通信主任技術者は、伝送交換主任技術者も線路主任技術者も試験は難しく、合格率は高くないです。
この資格を持っていると、技術力を示すことができます。
伝送交換主任技術者の資格が得られれば、伝送や無線の仕事を行えます。
線路主任技術者の資格では、通信システムの通信線路や通信土木の仕事を行う事ができます。
認可団体
認定団体は総務省です。国家資格です。
受験条件
年齢や性別などの制限はありません。どなたでも受験することが出来ます。
合格率
伝送交換主任技術者試験と線路主任技術者試験の合格率は、令和3年2回目から令和4年2回目で次の通りです。
伝送交換主任技術者試験
合格率を見てみましょう。
3科目受検者
令和3年2回目:445人受験:合格率10.8%
令和4年1回目:350人受験:合格率12.4%
令和4年2回目:422人受験:合格率14.2%
2科目受検者
令和3年2回目:883人受験:合格率21.6%
令和4年1回目:833人受験:合格率13.9%
令和4年2回目:955人受験:合格率21.8%
1科目受検者
令和3年2回目:721人受験:合格率51.7%
令和4年1回目:743人受験:合格率37.1%
令和4年2回目:841人受験:合格率43.3%
全科目免除者
令和3年2回目:90人
令和4年1回目:34人
令和4年2回目:30人
全体受検者数
令和3年2回目:2,139受験:合格率32.8%
令和4年1回目:1,960人受験:合格率23.9%
令和4年2回目:2,248人受験:合格率29.4%
線路主任技術者試験
こちらも合格率を見てみましょう。
3科目受検者
令和3年2回目:80人受験:合格率2.5%
令和4年1回目:75人受験:合格率4.0%
令和4年2回目:112人受験:合格率8.9%
2科目受検者
令和3年2回目:215人受験:合格率19.1%
令和4年1回目:272人受験:合格率16.2%
令和4年2回目:319人受験:合格率17.9%
1科目受検者
令和3年2回目:481人受験:合格率55.3%
令和4年1回目:479人受験:合格率62.2%
令和4年2回目:586人受験:合格率53.9%
全科目免除者
令和3年2回目:74人
令和4年1回目:21人
令和4年2回目:19人
全体受検者数
令和3年2回目:850受験:合格率45.1%
令和4年1回目:847人受験:合格率43.2%
令和4年2回目:1,036人受験:合格率38.8%
1年当たりの試験実施回数
試験は1年に2回の実施です。第1回が7月上旬頃、第2回が翌年の1月中旬頃に実施されています。
第1回試験の申込期間は、4月上旬から5月上旬。第2回試験の申込期間は、10月の上旬から下旬です。
インターネットでの申請になります。
試験科目
試験は多肢選択式です。マークシート式の試験になります。
電気通信主任技術者の試験科目は、伝送交換主任技術者試験と線路主任技術者試験で異なる部分があります。
試験科目と試験時間は以下の通りです。
電気通信システム:1時間20分
- 電気通信工学の基礎
- 電気通信システムの大要
旧第二種伝送交換主任技術者、伝送交換主任技術者、線路主任技術者、工事担任者(アナログ第三種、デジタル第三種、AI第三種、DD第三種、第二級アナログ通信、第二級デジタル通信を除く)、第一級陸上無線技術士、第一級総合無線通信士、第一級海上無線通信士又は第二級陸上無線技術士
資格以外でも、総務大臣の認定した教育施設での単位修得者は免除されます。
伝送交換設備及び設備管理:伝送交換主任技術者に限る:2時間30分
伝送交換設備の概要並びに当該設備の設備管理、セキュリティ管理及びソフトウェア管理
旧第二種伝送交換主任技術者(資格取得後に事業用交換設備の実務経験2年)、伝送交換主任技術者(特例試験による取得者、資格取得後に事業用交換設備の実務経験2年)、線路主任技術者(資格取得後、事業用伝送交換設備の実務経験4年)、伝送交換主任技術者
線路設備及び設備管理:線路主任技術者に限る:2時間30分
線路設備の概要、当該設備の設備管理及びセキュリティ管理
旧第二種伝送交換主任技術者(資格取得後に事業用交換設備の実務経験2年)、伝送交換主任技術者(特例試験による取得者、資格取得後に事業用交換設備の実務経験2年)、線路主任技術者(資格取得後、事業用伝送交換設備の実務経験4年)、伝送交換主任技術者
法規:1時間20分
- 電気通信事業法及びこれに基づく命令
- 有線電気通信法及びこれに基づく命令
- 電波法及びこれに基づく命令
- 不正アクセス行為の禁止等に関する法律及びこれに基づく命令
- 電子署名及び認証業務に関する法律及びこれに基づく命令
- 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の大要
線路主任技術者、伝送交換主任技術者、線路主任技術者
採点方式と合格基準
伝送交換主任技術者試験も線路主任技術者試験も択一式のマークシートなので、採点は正誤判定です。
各科目の合格点は次の通りです。
- 電気通信システム:100点満点中の60点以上で合格
- 伝送交換設備及び設備管理:150点満点中の90点以上で合格
- 線路設備及び設備管理:150点満点中の90点以上で合格
- 法規:100点満点中の60点以上で合格
試験全体で不合格になったとしても、合格した科目につきましては次に受験するときに試験免除を受けることが出来ます。
しかし、試験免除の申請には、申請期限がありますのでご注意ください。
取得に必要な勉強などの費用
試験勉強に役に立つ参考書を、3点紹介させて頂きます。
電気通信主任技術者試験 これなら受かる 電気通信システム 改訂2版
出版社名:オーム社出版
商品名:電気通信主任技術者試験 これなら受かる 電気通信システム 改訂2版
価格:2,523円(税込)
6年分である12回分の過去問題が出題分野で整理・分類されて掲載されています。
出題傾向を確認しながら、頻出問題を効率よく学習できるように編集されています。
1回分は試験と同様の形式で掲載されているので、試験慣れのためにも使うことが出来ます。
電気通信主任技術者試験 これなら受かる 伝送交換設備及び設備管理 改訂2版
出版社名:オーム社出版
商品名:電気通信主任技術者試験 これなら受かる 伝送交換設備及び設備管理 改訂2版
価格:3,300円(税込)
『伝送交換設備及び設備管理』の科目の問題集です。
こちらも過去の6年間12回分の試験問題が掲載されています。
11回分は、出題分野で整理・分類がされているので、出題の傾向や頻出問題の対策がしやすい問題集になっています。
1回分は試験と同様の形式で掲載されています。
22~23年版電気通信主任技術者試験全問題解答集 共通編(伝送交換主任技術者・線路主任技術者)
出版社名:電気通信主任技術者試験研究会
商品名:22~23年版電気通信主任技術者試験全問題解答集 共通編(伝送交換主任技術者・線路主任技術者):電気通信主任技術者試験研究会 編集
価格:6,820円(税込)
7回分の過去問題集です。
平成30年度第1回、平成30年度第2回、令和元年度第1回、令和元年度第2回、令和2年度第2回、令和3年度第1回、令和3年度第2回の試験が掲載されています。
令和2年度第1回の試験は中止になっています。
受験料
受験料は次の通りです。
2科目受験:18,000円
1科目受験:17,300円
全科目免除:9,500円
それぞれ非課税です。
受験申込方法
受験の流れは次の通りです。
1.マイページアカウント登録 | 日本データ通信協会の「電気通信国家試験センター」ホームページ内にある申込手続きからアカウントを作成します。 |
2.マイページ設定 | 申込者の情報を入力します。 |
3.試験申込 | 受検の種類や科目免除の有無、業種コードや学校名などを入力します。証明書等のアップロードや、身体障碍者特別処置のための情報入力も、ここで行います。電子メールや郵送でも可能です。 |
4.試験手数料の払込み | ペイジー、コンビニ払い、バウチャー(団体のみ)での払込みが出来ます。申請日の3日後までに支払いがない場合は、申請は取り消されます。払込み後のキャンセルはできません。 ペイジーとは、電子的に支払いを行う一連の流れを指す言葉です。 バウチャーとは、商品引換券・クーポン券の意味です。 |
5.申請内容の審査 | |
6.申請後の申込み内容の変更 | 試験種別と試験科目の変更は、申請受付期間中のみ可能です。 |
7.受験票の発送 | 発送は郵送です。試験日の2週間前までに発送されます。 |
8.試験 | |
9.合格発表 | 試験日の3週間後に受験者本人宛で結果通知書が郵送されます。 |
10.資格者証交付申請 | 試験に合格された方は、試験結果通知書や試験免除通知書の資格者証交付申請のご案内のところに記載されている総務省の地方総合通信局か、沖縄総合通信事務所へ資格者証の交付申請をしてください。資格者証の交付申請期限は、試験結果通知書や試験免除通知書に記載されています。交付申請期限までに申請しましょう。 |
まとめ
国家資格の電気通信主任技術者についてでした。
電気通信主任技術者の試験には伝送交換主任技術者試験と線路主任技術者試験があります。
それぞれ別の試験になっていますが、共通科目が多いです。
電気通信システムと法規の科目は共通になっています。
伝送交換設備及び設備管理は伝送交換主任技術者の試験科目になっていて、線路設備及び設備管理は線路主任技術者の試験科目です。
試験問題には、過去問の問題と似たような問題が多いので、過去問をたくさん解くなどの受験対策は効果があるでしょう。
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