移動式クレーンとは、クレーンの中でも移動して作業できる構造のものです。
移動式クレーンを運転するのには、移動式クレーン運転士免許が必要となります。
移動式クレーン運転士の資格を取るには、学科試験と実技試験に合格しなければなりません。
Contents
適用する仕事
荷重5トン以上の移動式クレーンを操作するには、移動式クレーン運転士の資格を取らなければなりません。
移動式クレーンとは、道路を走ることができる車にクレーンがついているものです。
吊り上げ荷重が5トン以上ある場合は、移動式クレーン運転士の免許が必要です。
移動式クレーンの種類には、ラフテレーンクレーンやクローラクレーン、トラッククレーン、浮きクレーンなどがあります。
建設や港湾などの現場で広く使われています。
クレーン作業に必要な資格は他にもあります。
吊り荷の荷掛けや荷外し作業ための玉掛けの資格です。
さらに、移動式クレーンで公道を走る場合は、道路交通法に基づいた中型自動車や大型自動車、大型特殊車といった運転免許の取得が必要です。
おおよその年収とキャリアパス
幅がありますが、移動式クレーン運転士の資格を使う仕事の年収は200万円から1,000万円くらいです。
その中でも多く見られる年収は、300万円から600万円くらいのところです。
認可団体
この資格は労働安全衛生法に定められた国家資格です。
つまり、免許と言い換えることもできます。
認定団体:厚生労働省
主催団体:公益財団法人 安全衛生技術試験協会
受験条件
年齢や学歴などに制限はなく誰でも受験可能ですが、免許交付は18歳以上です。
合格率
学科試験と実技試験のそれぞれの合格率です。
学科試験
2020年:64.7%
2019年:65.3%
2018年:63.1%
2017年:59.8%
2016年:67.8%
実技試験
2020年:61.5%
2019年:63.4%
2018年:60.0%
1年当たりの試験実施回数
令和4年度には6回試験が実施されます。
試験科目
試験は学科と実技があります。
学科
試験時間:2時間30分
科目免除者は2時間
- 移動式クレーンに関する知識:10問(30点)
- 原動機及び電気に関する知識:10問(30点)
- 移動式クレーンの運転のために必要な力学に関する知識:10問(20点)
- 関係法令:10問(20点)
実技
- 移動式クレーンの運転
- 移動式クレーンの運転のための合図
免除される場合は
所有資格や実務経験によって、免除される科目を以下に記します。
1.実技試験が全て免除
- 移動式クレーン運転実技教習を修了した者で、その修了した日から起算して1年以内のもの
- 鉱山において、つり上げ荷重が5トン以上の移動式クレーンの運転の業務に、1か月以上従事した経験を有する者
2.実技試験 – 運転のための合図が免除
- 床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者
- 小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者
- 玉掛け技能講習を修了した者
3.学科試験が全て免除
移動式クレーンの学科試験に合格した者で、その学科試験が行われた日から起算して1年以内の者
4.学科試験 – 力学に関する知識。 実技試験 – 運転のための合図が免除
クレーン・デリック(クレーン限定、床上運転式クレーン限定を含む)、旧クレーン(床上運転式限定を含む)、旧デリックまたは揚貨装置運転士免許を有する者
採点方式と合格基準
100点満点の中で、60点以上で合格です。
ただし、各科目ごとに40%以上の正解が必要となります。
学科試験と実技試験があります。
学科は、合格には合計の60%以上得点しなければなりません。
また、学科は区分が4つあってそれぞれの区分で40%以上の得点率が必要です。
実技は減点方式になっていて合計が40点以下なら合格です。
取得に必要な勉強などの費用
教習所での移動式クレーン運転士の教習料金には、次に示すようなものがあります。
受講料:10,290円
テキスト代:4,200円
保険料等 :3,200円
受験料
移動式クレーン運転士の受験料を記します。
学科試験の受験料が8,800円です。
実技試験の受験料は11,000円になります。
受験申込方法
順番にご説明します。
1.受験申請書の入手
受験申請書を用意します。
この資格の試験の受験申請書は、公益財団法人である安全衛生技術試験協会の本部か、各センター又は免許試験受験申請書取扱機関となっている団体で無料配布しています。
郵送を希望される方は郵送料がかかります。
受験申請書取扱機関の一覧は次の通りです。
- 北海道安全衛生技術センター
- 東北安全衛生技術センター
- 関東安全衛生技術センター
- 中部安全衛生技術センター
- 近畿安全衛生技術センター
- 中国四国安全衛生技術センター
- 九州安全衛生技術センター
2.受験申請書類の作成
次に受験申請書類を作成します。
添付書類:添付書類の「写し」には「原本と相違ないことを証明する」との事業者の原本証明が必要です。
試験手数料:試験手数料の返還は、受験票の発効前しかできません。
証明写真は30mm×24mmのサイズです。
3.受験申請書類の提出
作成した受験申請書の提出をします。
提出先は各安全衛生技術センターで、受験を希望するセンターを指します。
もし出張特別試験の場合は、地区によって受験申請書の提出先と受付期間が異なりますので注意してください。
郵便(簡易書留)の場合
第1受験希望日の2ヶ月前から14日前(消印有効)に郵送しなければなりません。
第一希望日の応募が定員に達しているときは、第二希望日になります。
センター窓口へ持参の場合
直接提出先に、第1希望受験日の2ヶ月前からセンターの休業日を除く2日前までに持参しなければなりません。
ここで注意しないといけないのが、試験日が月曜日の場合は2日前というのは前週の木曜日になります。
協会、センターの休業日は、土曜日、日曜日、国民の祝日・休日、年末年始(12月29日~1月3日)および設立記念日である5月1日です。
学科が全部免除されて実技試験のみを受験する場合の受付期間は、各センターの「実技試験案内」をお読みください。
注意事項も読んでおく必要があります。
4.受験票の受取
センターで受験する場合に、受験申請書の郵送をしてから10日過ぎても受験票が届かない場合は、第1希望日か第2希望日のうちの、日付が早い方の試験日の2日前(休業日を除く)までに申請先のセンターに連絡しなければなりません。
出張特別試験の受験をする場合、出張特別試験案内に記載されている日までに受験票が届かないときは、試験日の3日前(休業日を除く)までに試験実施のセンターに連絡しなければなりません。
注意点として、受験票の発行後になりますと試験日の変更は不可となります。
また、受験票発効後は試験手数料の返還も不可となります。
まとめ
移動式クレーン運転士の資格についてでした。
荷重が5トン以上の移動式クレーンを操作するには、この資格が必要です。
ただし注意しないといけないのが、移動式クレーンで公道を走る場合は道路交通法に基づいた中型自動車や大型自動車、大型特殊車といった運転免許が必要です。
この資格は誰でも受験することができますが、免許の交付は18歳以上です。
年に6回ほどの受験の実施があるので、取りたい方は機会があると思います。
学科は試験時間が2時間半あるので、集中力が続かないと厳しいところもあるかもしれないですよ。
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