皆さんは「CAD」というものをご存知でしょうか。
CADは「Computer Aided Design」の英単語の頭文字を取った略語で、従来では人の手によって製作されていた設計図を、コンピュータを使用して作図できるようにしたシステム、もしくはソフトのことを言います。
では、今回の「CAD実務キャリア認定制度」は、そのCADを利用して実務的な技術や技能の成果を認定する資格です。
今回はその中から「Test of CAD for skill：略称TCADs」についてみていきます。
Contents
適用する仕事
適用する仕事は、CADオペレーターや機械設計エンジニアが当てはまります。
CADオペレーター
CADオペレーターとは、CADの操作を専門的に行う仕事であり、設計者が考えた形をCADに入力する仕事を指します。
CADソフトを駆使して図面を修正・調整・作製をしていきます。
CADオペレーターに求められるのは、設計士やデザイナーの意図や要望をしっかり把握し、具現化する技術力や理解力です。
そのためにも技術面の他にも、コミュニケーションスキルや細かい作業をするための集中力、正確さも必要になってきます。
意外にも私たちの生活を囲むいろいろな物の設計・デザインに、CADが使われています。
自動車、電化製品、建築、服飾などです。
それだけ活躍の場が多く、需要も高い職種です。
実務経験が無い方でも、チャレンジできる部類だそうですよ。
機械設計エンジニア
こちらの職業も「CAD実務キャリア認定制度」の学習が活かせます。
機械設計エンジニアとは、その名の通り「機械が動く仕組みを設計する」技術者のことです。
機械といってもスマホのような小さなものから、ロケットやトンネル掘削マシンなどの大きなものまで幅広いですからそれらの機械を設計する技術者のことです。
この職業のどこに「CAD実務キャリア認定制度」の知識が活かされるかというと、これも図面です。
機械を設計するためにも図面が必要になります。
このときCADを使って行うケースが多いです。
機械設計エンジニアは企画や設計、評価までものづくりの全工程に携わる職業で、その工程にCADの力が必要になるわけです。
その他にも企業の設計部門やデザイン会社においても、この資格が活かせるでしょう。
おおよその年収
前項目でCADオペレーターと機械設計エンジニアの２つの職業をご紹介しました。
こちらの年収の項目でもこの２つを挙げていきます。
CADオペレーターの年収
2021年10月の統計によると、CADオペレーターの仕事の平均年収は約462万円です。
幅があるので、年収300～750万円の間という統計になっています。
日本の平均年収（436万円）と比較すると高い傾向ですね。
派遣社員では平均時給は1,695円、アルバイト・パートでは平均時給1,049円となっています。
機械設計エンジニアの年収
機械設計の仕事の平均年収は約444万円となっています。
こちらも日本の平均年収（436万円）と比較すると高い傾向かと思われます。
月給で換算すると37万円、初任給は20万円程度が相場のようです。
派遣社員の平均時給は1,795円、アルバイト・パートの平均時給は998円となっています。
認可団体
CAD実務キャリア認定制度を主催している団体は、「一般社団法人コステックエデュケーション」というところです。
受験条件
制限はありません。
学歴・年齢・性別・国籍にかかわらず、どなたでも受験できます。
合格率
合否判定ではなく、スコア制で評価します。
ですので、合格率はありません。
スコア制のメリットは、現在の自分の実力を正確に把握でき、自分に合った目標設定が可能なことです。
1年当たりの試験実施回数
年2回、9月と翌年2月に実施
試験科目
科目には機械部門と建築部門があります。
両部門とも、学科試験と実技試験があります。
機械部門
学科の出題範囲は、JIS製図一般の知識および機械製図の基礎知識です。
実技試験では、機械部品の組立図、部品図が課題です。
図枠や記号などはdxf形式で試験当日に配布します。
線種や線の太さは参考資料を公開するそうですが、受験者各自が設定するとのことです。
建築部門
学科の出題範囲は、JIS製図一般の知識および建築製図の基礎知識です。
実技試験では、平面図、断面図、立体図が課題です。
図枠や設備などの図形データはおよび記号などは、こちらもdxf形式で試験当日に配布します。
こちらも線種や線の太さは参考資料を公開するそうですが、受験者各自が設定してください。
採点方式と合格基準
学科試験は機械部門・建築部門限らず、どちらともCBT方式で試験会場のコンピュータから解答を入力するWEB試験で行なっています。
四肢選択方式です。
実技試験は機械部門・建築部門限らず、どちらとも解答図を中間ファイル（dxf）形式と、使用したCADシステムの図面データ形式で提出します。
試験時間は学科試験が40分、実技試験が100分です。
【合格率】の欄でもお伝えしたように、この認定制度は試験を課しても合否判定ではなく、スコア制で評価します。
テストの結果は学科試験、実技試験の合計で990点満点となるスコア制で点数の認定を行います。
取得に必要な勉強などの費用
CAD実務キャリア認定制度の試験勉強は独学でできますし、講座を活用しても良いでしょう。
独学
この資格専用の教科書は販売されていなくとも、それについての知識を固められるテキストはあります。
ご紹介していきます。
はじめて学ぶAutoCAD 2023 作図・操作ガイド
- 出版社名：ソーテック社
- 商品名：はじめて学ぶAutoCAD 2023 作図・操作ガイド
- 価格：￥2,618（税込）
こちらの書籍はこれからAutoCADを使い始めようと考えている方を対象に、作図の基本操作を無理なく習得できるように構成されています。
AutoCADの入門書の中でも、学校採用No.1のロングセラーな1冊らしいです。
はじめてのAutoCAD 2023／2022 作図と修正の操作がわかる本
- 出版社名：ソシム
- 商品名：はじめてのAutoCAD 2023／2022 作図と修正の操作がわかる本
- 価格：￥2,728（税込）
こちらもAutoCADを初めて使う人のための操作解説書です。
作図の基本操作に重点を置いているため、一通りの作図と修正操作をマスターすることができます。
AutoCAD LT 標準教科書（2022対応）
- 出版社名：鳥影社
- 商品名：AutoCAD LT 標準教科書（2022対応）
- 価格：￥3,300（税込）
25年以上にわたる企業講習と職業訓練校での教育実績に基づく、AutoCAD LT解説の決定版になるテキストです。スマホ対応の音声付き動画(400本以上)とクラウド教科書、サンプルプログラムをWeb専用ページで無料で利用できます。
初心者はもちろん、実務者も役立つ1冊です。
講座を利用
ヒューマンアカデミー
費用は一例です。
または、AutoCAD・Revit・Inventorが使い放題の制度もあります。
サブスクリプションの原理です。
- AutoCAD ￥8,800／月×12ヶ月＝￥105,600（税込）
- REVIT ￥53,900／月×12ヶ月＝￥646,800（税込）
- Inventor ￥46,200／月×12ヶ月＝￥554,400（税込）
KENスクール
AutoCAD 建築初級 ￥123,200（税込）受講期間3ヶ月
e-Groove
AutoCAD習得講座
| ― | 価格 | 受講期間 |
| Windows版 | ￥36,550（税込） | 3ヶ月 |
| Mac版 | ￥20,400（税込） | 1ヶ月 |
CADマスター講座
| 受講期間 | 価格 |
| 4ヶ月 | ￥60,000（税込） |
| 8か月 | ￥67,500（税込） |
| 12ヶ月 | ￥75,000（税込） |
受験料
11,550円（学科および実技試験）
受験申込方法
CAD実務キャリア認定制度の公式サイトを検索していただき、受験申請の流れのページへアクセスします。
申込フォームがありますから、そこから申し込んでください。
申し込みましたら、指定の金融機関がありますからそこへ受験料を振り込んでください。
詳しくは公式サイトをご確認ください。
まとめ
今回「CAD実務キャリア認定制度」のTest of CAD for skill：略称TCADsという試験についての情報を、お伝えしてきました。
公式サイトをご覧いただくと、これ以外にも試験があることがわかります。
CADアドミニストレーター認定試験、3次元CADトレーサー認定試験、3次元CADアドミニストレーター認定試験の３つです。
これら３つは実技試験のみの認定制度です。
こちらではこの３つには触れずに、Test of CAD for skillのみお伝えしました。
受験する時に間違えないようにしましょう。
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