盲導犬歩行指導員について

盲導犬歩行指導員について

視覚障害者のための盲導犬になるには、候補犬を育成・訓練したり、視覚障害者と盲導犬と一緒に歩行するための歩行指導を行なったりします。

これらの事を、適正にできる専門家を育成するための資格が盲導犬歩行指導員です。

この資格は民間資格です。

これから盲導犬歩行指導員について述べたいと思います。

盲導犬歩行指導員はそれぞれ協会で活躍することになります。

以下に挙げる活動や試験内容は一部の協会のものであって、すべてには当てはまりません。

一例としてお読み下さい。

適用する仕事

盲導犬の育て方、仕事の必要性、養成機関について見ていきたいと思います。

盲導犬歩行指導員

盲導犬

視覚障害者から盲導犬の希望を受けて、その方と面接をし、適切な盲導犬の利用及び飼育ができるかを判断し、認められた方に無償で盲導犬を貸与します。

盲導犬候補犬に適した血統を持つ犬や、素質を持つ犬を計画的に繁殖します。

育成は盲導犬育成に沿った訓練プログラムがあります。

人の指示を聞くことを学習する訓練や障害者が安全に歩くために必要な誘導訓練、一緒に生活するのに必要な生活訓練があります。

約3ヶ月毎に適正テストをし、おおよそ1年後に最終テスト、健康診断に合格した犬が盲導犬になります。

盲導犬は約8年で引退です。

その中で視覚障害者のために、専任の盲導犬歩行指導員が盲導犬のアフターケアを実施します。

盲導犬が健康な状態でリタイアできるように、健康チェックを実施しています。

こうして犬の個性を尊重するとともに、犬の一生にも責任を持ちます。

必要性

盲目者・視覚障害者は、道路交通法によって、道路を歩く場合には白い杖を使うか盲導犬を連れて歩かなければならないと規定されています。

盲導犬は視覚障害者が安全に日常生活が送れることが可能となる犬ですが、盲導犬がいるからといって、すぐに安全に日常生活が送れるわけではありません。

盲導犬のしっかりとしたサポートを受けるためには、視覚障害者は盲導犬を自身の手足のように扱えなければならないからです。

視覚障害者に盲導犬の行動パターン、扱い方、命令の仕方を教えるのが「盲導犬歩行指導員」です。

また、視聴覚障害者も高齢化してきていますので、生活の悩みや精神面のケアについても仕事で対応する必要があります。

必要性

向いている方

犬が好き、人助けが好き、という方に向いていると思いますが、少しずつ考えを深めていって頂きたいです。

視聴覚障害者の求めているものは何か、それを実現するために何ができ、どう接して行くかを考える必要があります。

犬は人間の奴隷ではありませんし、性格もありますので、その性格を理解してその犬に対しての訓練方法を見つけます。

また、視聴覚障害者とたくさんいる犬の中から相性の良い犬を見つけるための行動力、洞察力、忍耐力も重要です。

様々な視聴覚障害者の方がいますし、様々な犬もいますので、コミュニケーションも必要になります。

おおよその年収とキャリアパス

3(男性):7(女性)と女性の活躍している方の多い仕事になります。

勤務先

盲導犬訓練施設、盲導犬協会、福祉施設

年収

収入と求人を見てみましょう。

収入

企業によって異なりますが、約180時間を1ヶ月で働いた場合、平均月収は20代は17万から19万円、30代は22万円前後、40代が27万円前後です。

知識と体力の両方が必要な仕事ですが、高収入は望めません。

求人

求人数はまだまだ少なく資格を取得しても、仕事を見つけるのは大変だと思います。

キャリアパス

今度はキャリアパスを見てみましょう。

キャリアアップ

盲導犬訓練士

盲導犬訓練研修生として3年間学び、盲導犬訓練士を取得します。

そこから2年間のインターンを経験した後、盲導犬歩行指導員を取得します。

※盲導犬訓練士の取得は協会により異なるので、注意して下さい。

ここでは、盲導犬歩行指導員の取得方法について説明します。

養成期間

選考試験に合格すると5年間の研修期間があり、3年間の養成期間、さらに2年間のインターンとなります。

1年目は犬の生態・管理・飼育方法・衛生などについてや、社会福祉・点字・視覚障害者福祉・視覚障害などについて勉強します。

2年目は犬の心理・繁殖・訓練一般などについてや、盲人心理・歩行方法・目の構造や動き・疾病などについて勉強します。

3年目は犬の遺伝・獣医学初歩などについてや、視聴覚障害者の生活と職業・教育学方法論などを勉強します。

インターンは現場に近いところで勉強します。

寄宿生活

研修期間5年間は、研修所で寄宿生活です。

専門知識の獲得、忍耐力、協調性を学ぶためです。

認可団体

日本盲導犬協会

公益財団法人日本盲導犬協会は、盲導犬の育成・視覚障害リハビリテーション事業により視聴覚障害者の社会参加を促進することを目的の一つとしています。

この協会が歩行指導員資格の、運営管理を実施しています。

盲導犬歩行指導員の養成及び資格認定を行う団体です。

1967年8月10日に設立されました。

資格試験は各盲導犬協会が独自に実施します。

日本盲導犬総合センター(愛称:盲導犬の里 富士ハーネス)
〒418-0102 静岡県富士宮市人穴381
TEL:0544-29-1010
FAX:0544-54-303

受験条件

受験条件は高校卒業以上、健康で24歳未満です。

さらに身長160cm以上で、矯正視力が1.0以上あり、正常な視力と聴覚も必要です。

但し、普通自動車運転免許が書類審査時に必要です。

受験条件は各協会により異なります。

合格率

努力

選考試験は各協会で異なるため、合格率は発表されていません。

養成期間後の合格率は約12%です。

5年間の研修期間後の合格率は約10%です。

難度は非常に高いです。

1年当たりの試験実施回数

選考試験は年に1回で、11月です。

全国にある盲導犬協会で実施されます。

選考試験は東京で実施されます。

試験科目

全国8ヶ所にある盲導犬訓練所が実施します。

選考試験の試験内容は各協会により異なります。

[公益財団法人アイメイト協会の場合]
1次試験
筆記と書類審査

2次試験
小論文
適性検査
集団面接

最終試験
適性検査(2次試験よりも詳しく実施されます)
最終面接

採点方式と合格基準

数字の7

選考試験の採点方式は各協会で異なります。

選考試験の合格発表は各盲導犬協会で発表されます。

その後に研修期間5年間となります。

取得に必要な勉強などの費用

先ほど説明したように、選考試験は各協会により異なります。

その協会の選考試験の合格をするための試験対策をすることが重要になります。

選考試験は就職とほぼ同じですから、学生としてしっかりと勉強することが重要です。

その意味で本を読んだり、試験対策の必要は必要はないので、特に費用が掛かるという事は無いでしょう。

各協会が合格者人数、応募条件も設定しています。

それぞれの協会を調べて、自身と合う条件の施設を選んで受験すると良いでしょう。

無資格でも盲導犬歩行指導員を目指している方を、正社員として募集しているところもあります。

募集人数は決して多くありませんが、応募資格を満たせば外部団体による認定試験はありますが、資格取得と就職をすることができます。

こちらも応募資格は各協会で異なります。

参考までにこの協会の応募書類・応募資格を述べます。

【応募書類】
履歴書・職務経歴書・レポート1200字以内が応募書類となります。
レポートのテーマは「盲導犬訓練士・指導員として私が貢献できること」です。

【応募資格】
性別は問いません。
短大・専門学校卒以上で、普通自動車第一種運転免許を持っていることです。
なお、福祉・視覚障害者リハビリテーションに関する資格保持者は優遇するとのことです。

受験料

数字の10000

選考試験の受験料は¥10,000です。

選考後の入学金・月謝・食費・寄宿費などは必要ありません。

研修、インターン期間中は手当が支給されます。

受験申込方法

詳しくは実施団体に問い合わせて下さい。

まとめ

日本は障害者や動物に対する理解がとても遅れており、法規制及び環境設備も殆ど進んでいません。

困っている方に声をかけたり、介助をしたりする方も殆どいませんし、残念ながら盲導犬にいたずらをする方もいます。

2002年に身体障害者補助犬法が施行されました。
盲導犬を連れた視覚障害者の方々が好きな時に、好きな場所に、安心して出かけられるために施行された法律です。

皆が法律を遵守することも大切ですが、温かい心で障害者の方や盲導犬を見る心、理解が大切になってきます。

盲導犬歩行指導員になるには難易度も高く、5年間寄宿生活を続けながら研修する必要があり、気軽に受けられる試験ではありません。

しかし、視覚障害者の命を預かる仕事ですので、仕事がうまくいった時の達成感は他の仕事に勝ると思います。

今の生活や仕事に疑問があるのであれば、視点を変えてトライして見るのもありだと思います。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

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