今日は「応用情報技術者試験」という検定試験についてお伝えしていきます。
この試験はITエンジニアとしてスキルアップを目指す人が「基本情報技術者試験」の次に受ける試験です。
基本情報技術者試験も合格率が低い(認可団体いわくレベル1~4の中でレベル2)ですから、“応用”と付く今回の試験も難しそうに見えます。
そんなレベルの高いITの資格を今回見ていきます。
Contents
適用する仕事
この応用情報技術者試験というのは、国家試験である情報処理技術者試験の1つです。
試験に合格するとITエンジニアとして、応用的な知識や技能を有していることを証明できます。
よって、実務経験を積んだ中堅エンジニアにもっとも適した資格といえるでしょう。
ITエンジニアとは
ITエンジニアとは「情報技術」を指すITのエンジニア(工学の技術者)のことで、ITに関する知識や技術を持った人のことを指します。
ITエンジニアとひとことでいっても、その中の仕事は種類別にいろいろあります。
| ITエンジニアの種類 | |
| システムエンジニア | システムの提案から設計、開発までを担うITエンジニア |
| ネットワークエンジニア | システム目線でもユーザー目線でも利用しやすいようにネットワーク環境を整えるITエンジニア |
| インフラエンジニア | サーバー構築やネットワーク管理、端末設定などをおもに行うITエンジニア |
| セールスエンジニア | 技術的な専門知識を持った営業担当のITエンジニア |
| Webエンジニア | WebサイトやWebアプリケーションの設計・開発・運用・保守などを担うITエンジニア |
| サーバーエンジニア | サーバーの設計や構築、運用、保守などを担うITエンジニア |
| データベースエンジニア | データベースの設計、開発、運用、保守を担うITエンジニア |
上記で分かる通り、いずれのITエンジニアの仕事内容はコンピュータやネットワーク、Webで動作するシステムやサービスの企画・設計、開発、運用、管理などを行うことです。
通常、開発などのプロジェクトチームは複数のITエンジニアで構成され、それぞれが役割分担をして活躍します。
ITエンジニアはITやWeb系の企業を中心に多様な業種で活躍できるでしょう。
ITエンジニアに向いている人
- 新しい技術を覚えることが好き(好きでないとなかなか続けていけない仕事)
- 物事を効率よく進められる(仕事の種類も作業量も多いため)
- 聞き上手である(顧客のニーズを聞き出すヒアリング力が必要)
- 集中力がある(わずかなミスや見落としが大きな問題に発展するため)
おおよその年収とキャリアパス
応用情報技術者試験を合格していると、IT系職種への就職に良い影響が出てきます。
特に初めての就職(IT以外からの転職含む)時に合格済みであったら、目を引くのではないでしょうか。

応用情報技術者試験を明記している求人
企業により異なりますが、応用情報技術者試験は国家試験なのでそれを重視しているところは一定数存在します。
官公庁関連では、資格取得者がある程度欲しいようです。
応用情報技術者試験の資格を歓迎していたり、資格取得のために手当を出している求人はたくさんあります。
いくつか求人例を挙げてみます。
| 募集職種 | 年収 |
| インフラエンジニア | 350万~610万円 |
| SAPエンジニア | 350万~610万円 |
| システムインテグレーター | 500万円 |
| サーバーサイドエンジニア | 500万~800万円 |
| システムエンジニア | 240万~800万円 |
| 自社PLMパッケージ製品の開発エンジニア | 400万~700万円 |
| アプリケーションエンジニア | 430万~700万円 |
| システム開発エンジニア | 600万~720万円 |
| システムコンサルタント | 300万~900万円 |
など
ITエンジニアのキャリアパス
ITエンジニアはIT関連の知識・技術を備えたエンジニアを広く指しているため、人によってさまざまな方向性が考えられます。
マネジメント職種にキャリアアップする
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーといったものを指します。
プロジェクトマネージャーはプロジェクトの全体的な管理を通じて、プロジェクトを成功へと導く役割です。
プロジェクトリーダーは現場により近い立場で設計やメンバーの取りまとめを行い、プロジェクトを推進していく役割です。
スペシャリストとして専門分野を追究する
ITの世界にはプログラミングスキル、設計スキル、ネットワークスキル、基盤構築スキル、セキュリティスキルなどといったさまざまな専門領域があります。
その中から自分が得意なものを極めることも、立派なキャリアパスです。
ITの知識はもちろん、ビジネススキル全般を高めたいなら、IT戦略を考えるITコンサルタントやストラテジストが向いています。
ITエンジニア以外の職種に転職
「どうも技術職には向いていない」という人向けのキャリアパスです。
IT企業には技術部門だけでなく、教育などの人材開発部門や採用などの人事部門、営業部門、一般・営業事務職などの間接部門までさまざまな職域があります。
その中から自分に適正のある仕事を選べば、新たなやりがいに出会うことができますよ。
認可団体

応用情報技術者試験という検定を主催している団体は、「IPA:情報処理推進機構」というところです。
〒113-6591
東京都文京区本駒込二丁目28番8号
文京グリーンコートセンターオフィス(総合受付13階)
TEL:03-5978-7620
FAX:03-5978-7510
- 情報セキュリティ対策の実現
- IT人材の育成
- IT社会の動向調査、分析、基盤構築
受験条件
応用情報技術者試験に受験資格はありません。
ですので、基本情報技術者試験を受けないでいきなり受験しても大丈夫です。
合格率
2021年春期 24.0%
2021年秋期 23.0%

1年当たりの試験実施回数
春と秋の2回実施されます。
試験科目
試験は午前の部と午後の部に分かれます。
午前試験はテクノロジー系の問題が50題、マネージメント系が10題、ストラテジ系が20題出されます。
午後試験では経理戦略や情報戦略、データベース言語やプログラミングなどより幅広く専門的な問題が出されて、実践的な問題解決能力を問われます。
採点方式と合格基準
午前試験では多肢選択問題です。
100点満点で採点されて60点以上が合格です。
ここで60点以上取らなければ足切りされ(多段階方式)、午後試験は採点されることなく無条件で不合格となってしまいます。
午後試験は記述式の問題が11問出題されます。
そのうち、情報セキュリティ以外の10問のうちから5問選択して解答します。
こちらも100点満点で60点以上の得点で合格です。
取得に必要な勉強などの費用
応用情報技術者試験は独学で受験できます。
いくつか参考書をご紹介します。
令和04年【春期】【秋期】応用情報技術者合格教本
出版社名:技術評論社
商品名:令和04年【春期】【秋期】応用情報技術者合格教本
価格:¥3,278(税込)
こちらは過去問からの出題比率の高い応用情報技術者試験のために、旧試験や高度試験をも網羅的に分析した「いちばん詳しく、わかりやすい、何でも調べられる」教科書です。
巻末にはサンプル問題も掲載されています。
2022応用情報技術者 午後問題の重点対策
出版社名:アイテック
商品名:2022応用情報技術者 午後問題の重点対策
価格:¥3,740(税込)
午後試験の問題を解くための必要な着眼点、問題文の読み方を丁寧に解説しています。
読みやすさを考慮し、解説での問題引用文は全て枠で抜き出しを行なっているので問題に立ち返らなくても確認できます。
受験料
7,500円(税込)
受験申込方法
認可団体か検定の公式サイトを検索していただき、右側の項目の「受験申込み」という欄から申し込みできます。
応用情報技術者試験はひとまとめで「情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験」と表記されています。

まとめ
今回は国家資格の1つである「応用情報技術者試験」について見てきました。
国家資格であるため、就職や転職の面でも高い評価を得られます。
この試験に合格すると資格手当や報奨一時金を支給してくれる企業も多いです。
また、こちらの資格試験はもっと高度なIT試験を受ける際、試験の一部が免除されることもあります。
もしITエンジニアやIT系の職業を考えているなら、この資格はとても役に立つだろうと思います。
本記事で記した「向いている人」に当てはまる方やITやプログラミングが得意な方は、ぜひこちらの資格にも挑戦してみてくださいね!