文書処理能力検定は、企業における文書作成や統計データ処理の業務能力を測るための検定試験です。
今や日常生活にすっかりパソコンが定着し、幅広い年齢層の方が気軽にインターネットを使う時代になりましたが、最近のIT関連の検定制度は専門的な知識を要するものが多いです。
ですので、気軽に自己の能力を測ることのできるパソコン関係の検定としてはこちらがおすすめです。
小学生から高齢者まで気軽に受験できる検定として、こちらの受験内容をみていきましょう。
Contents
適用する仕事
「文書処理能力検定」はワープロと表計算の2つの試験科目で構成されています。
しかし、ワープロ技能は、今の時代ではできて当然と考えられているため、こちらの検定に合格したからといって就職に直結するのは難しいです。
就職活動には有利になりませんが、それでもワープロや表計算などのスキルは一般的なビジネスの場で活かすことができます。
一般的なビジネスの場とは、一般事務はもちろんのこと、営業、調達や購買、販売、マーケティング、バックオフィスも入ります。
こうしたどこの企業にもある「一般的な仕事」の職種の中で、ワープロや表計算は使われるので勉強しておくと仕事の中で活かせます。
それに、こちらの検定を受験するとこんなメリットがあります。
1.タイピングが速くなる
文書処理能力検定は、上位の級になるにつれてタイピング能力が求められます。
つまり、上位の級を目指すことで、より速く正確なタイピングが身に付くようになります。
仕事を円滑に行ううえでタイピングが速く、正確な文書が作れることは即戦力になるでしょう。
2.国語力が身に付く
文書処理能力検定は、OAの実務だけでなく、日本語力も付きます。
こちらの検定の2級や1級も国語力も出題範囲に含まれています。
そこでは漢字や送り仮名、熟語、慣用句なども問われますので、この検定を勉強すると一定の国語力が身に付くでしょう。
この国語力という部分に対しては履歴書には書けないかもしれませんが、それらが身に付くということは、社会人としての言葉遣いが身に付くということです。
社会人としての文書マナーや、言葉の理解があるだけで、仕事に対する自信や社内の方からの評価にもつながるでしょう。
このように、文書処理能力検定は社会人としての土台を作るための検定ともいえます。
おおよその年収とキャリアパス
文書処理能力検定のみを調べた収入のデータはありません。
ただ、OAスキルが欠かせない一般事務の年収を参考にすると、308万円でした。(2023年5月時点)
アルバイト・パートタイマーですと平均時給は1,096円です。
派遣社員の場合ですと1,342円の平均時給でした。
いずれにしても、全体の平均的な年収より低めといえるでしょう。
また、この検定に合格したからといって独立できる類でもありません。
もっと仕事に活かすなら、他の資格も取得しておいた方が良いでしょう。
併せて取りたい資格 | |
ビジネス文書検定 | ビジネス文書に特化した資格 |
MOS | マイクロソフトのオフィス製品を活用するスキルを身に付けるための資格試験で、基本ソフトを扱うことができる証明になる |
Word文書処理技能認定試験 | Wordの文書作成と処理能力を認定する資格で、ビジネススキルの基礎能力証明になる |
認可団体
認可団体は「公益社団法人 全国経理教育協会」です。
文書処理能力検定は昭和61年から実施されています。
所在地
〒170-0004
東京都豊島区北大塚1-13
検定試験のお問い合わせはこちら
電話:03-3918-6133
FAX:03-3918-6196
平日や検定試験日の9時30分から16時30分まで対応
※土日祝日・年末年始を除く
基本的事業活動
- 検定試験事業(計算実務能力検定試験、社会人常識マナー検定試験など)
- 教材出版や販売事業
- 研修事業や講習事業
- イベント事業(簿記や電卓を学んでいる学生向け)
- 国際化事業
受験条件
性別、年齢、学歴、国籍などの制限はなく、誰でも受験できます。
また、一度に2つの級を受けることもできます。
合格率
近年の合格率を掲載します。
第104回(令和5年2月4日施行)
ワープロ
4級:73.21%
3級:83.93%
2級:50.00%
1級:63.83%
表計算
4級:85.71%
3級:73.58%
2級:60.49%
1級:49.12%
第103回(令和4年11月5日施行)
ワープロ
4級:83.64%
3級:87.06%
2級:39.10%
1級:53.62%
表計算
4級:77.36%
3級:73.53%
2級:38.46%
1級:16.67%
第102回(令和4年7月2日施行)
ワープロ
4級:91.45%
3級:81.76%
2級:69.17%
1級:48.10%
表計算
4級:91.57%
3級:82.84%
2級:70.81%
1級:18.18%
1年当たりの試験実施回数
年3回実施されています。
試験科目
試験は4級~1級、筆記試験と実技試験が設けられています。
ワープロ
4級
筆記試験はなし
実技試験の入力は200文字
実技試験の文書作成は、メモ書き原稿から適宜レイアウトして作成(修正を含める)
3級
筆記試験はなし
実技試験の入力は300文字
実技試験の文書作成は、メモ書き原稿から適宜レイアウトして作成(追加・削除・修正を含める)
2級
筆記試験(技術常識):ワープロに関する実務知識
筆記試験(国語力):漢字、送り仮名、熟語、慣用句
実技試験の入力は500文字
実技試験の文書作成は、メモ書き原稿から正式文書を作成
1級
筆記試験(技術常識):ワープロに関する高度な知識
筆記試験(国語力):漢字、送り仮名、熟語、慣用句、ことわざ
実技試験の入力は700文字
実技試験の文書作成は、簡単なメモ書き原稿から正式文書を作成(高度な知識を含む)
表計算
4級
筆記試験はなし。
実技試験は表計算に関する基礎知識:入力、関数、書式設定、グラフ、データ、印刷に関する知識
3級
筆記試験はなし。
実技試験は表計算に関する基本知識:入力、関数、書式設定、グラフ、データ、印刷に関する知識
2級
表計算に関する実務知識を問われる筆記試験・実技試験
入力、関数、書式設定、グラフ、データ、印刷に関する知識
1級
表計算に関する高度な知識を問われる筆記試験・実技試験
入力、関数、書式設定、グラフ、データ、印刷に関する知識
採点方式と合格基準
各級とも1科目100点満点とし、全科目得点70点以上を合格とする。
ただし、ワープロの実技試験では、入力で正味打数1級690字、2級490字、3級290字、4級190字以上を合格とする。
取得に必要な勉強などの費用
勉強するには、公式サイトでテキストや過去問が販売されていますので、それらを使いましょう。
テキスト
英光社から出版されているものです。
文書検定問題集ワープロ2級[2023年版]:1,650円(税込)
文書検定問題集ワープロ3・4級[2023年版]:1,650円(税込)
※各級とも「表計算」の部はありません。
過去問題集
こちらはワープロと表計算の2種類があります。
令和5年度版 文書処理能力検定試験 過去問題集 ワープロ4級
発行元:全国経理教育協会
商品名:令和5年度版 文書処理能力検定試験 過去問題集 ワープロ4級
価格:¥990(税込)
過去問題9回分(第96回~第104回)が収録されています。
他の級も販売しています。
令和5年度版 文書処理能力検定試験 過去問題集 表計算4級
発行元:全国経理教育協会
商品名:令和5年度版 文書処理能力検定試験 過去問題集 表計算4級
価格:¥990(税込)
表計算の部も、過去問題9回分(第96回~第104回)が収録されています。
こちらも他の級があります。
受験料
1級:5,200円
2級:4,200円
3級:3,200円
4級:2,200円
ワープロ・表計算各級共通の料金です。
受験申込方法
「公益社団法人 全国経理教育協会」の申込サイトにアクセスし、メールアドレスを登録します。
すると、マイページにログインするためのIDとパスワードが発行されます。
マイページに移動し、検定実施一覧から検定試験の申し込みを行います。
申し込みしたら、コンビニ、ペイジー、ネットバンキング、クレジットカード、キャリア決済、プリペイドのいずれかの方法で受験料を支払います。
そして、受験票をマイページから印刷して、試験当日に持参しましょう。
印刷は試験実施日の2週間前からできるようになります。
まとめ
今回は、企業における文書作成や統計データ処理の業務能力を測る「文書処理能力検定」を取り上げました。
この検定は社会人としての土台を作るのにも役立つので、学生のうちに勉強しておくと社会人になったときのオフィス業務で活かすことができます。
パソコン関係の中では、とても易しめの検定です。
勉強方法は、公式サイトにテキストや過去問が販売されていますから、それらを使って対策しましょう。
あとは、とにかくタイピングに慣れましょう!
関連する記事はこちら
日商PC検定試験について